2010年8月5日木曜日

夏の下痢について

昨日までなどうもなかったけれども、朝方から下痢が始まったという方が診療所を受診されています.


夏の下痢の主な原因は「冷え」と「胃腸炎」です.冷えて起こった下痢症状はおなかを温めたり下痢止めを使うことで落ち着きますが、感染が原因の胃腸炎の場合は対応が異なります.
感染によっておこる下痢とは、身体が原因となる細菌やウィルスを外に出すために行っている正常な反応です.下痢止めなどで無理に下痢を止めてしまうと、細菌やウィルスなどがだす毒素などが体内に長い間とどまる結果となり、かえって経過が長引いたり、悪化したりします.


一時的な下痢だけでなく、下記のような症状を伴っていれば早めに受診するようにしてください.
・便に血液が混じっている
・異臭がする
・下痢に伴う腹痛が激しい
・下痢の程度が激しい 
・嘔吐をともなう
・発熱がある
・その他、体調に変化があった


また、感染性の下痢による食中毒を防ぐためには、手洗いと食材の衛生が肝心です.調理前には手を良く洗ってください.そして肉や魚は良く火を通し、肉や魚を切った後のまな板や包丁も、注意して洗ってから他のものを調理するようにしましょう.


リンク:
下痢の原因
止痢剤の説明(ロペラミドは感染性腸炎が疑わしい場合使用は控えます)
夏季は細菌性腸炎、冬季はウィルス性腸炎が多い.
和歌山感染症情報センター  感染症発生状況報告(週報)