2010年6月8日火曜日

おたふくかぜワクチンについて












◎成人でもおたふくかぜは発症します
おたふくかぜウィルス(ムンプスウィルス)は感染するとおよそ10~21日後に耳下腺や顎下線が腫れる疾患で、片側のみのこともあれば、両側のこともあります.不顕性感染といい、30~40%の人は無症状で経過します。いずれにしても免疫は獲得されてしまいます.合併症として、無菌性髄膜炎が最も頻度が高く、軽い症状まで含めると約10%で認められます。成人発症すると、子供より症状が重くなることが多く、特に男性は睾丸炎などが心配されます(成人男性であれば10~30%の頻度で起こります。ただし片側だけのことが大部分なので不妊症となることは稀であると言われています).永続性の高頻度難聴も合併症としてあげられますが、発症頻度は低いとされています.他にも膵炎などの合併症があります.

◎未罹患で合併症を気になさるようであれば、接種をお勧めます
おたふくかぜに免疫があるかどうかは血液検査をすれば判明しますが、時間と費用を要します。たとえば、おたふくかぜに免疫がある人が、おたふくかぜの予防接種を受けても、副反応はほとんど生じません.また、おたふくかぜの予防接種自体で、重大な副作用が生じるリスクは少ないとされています.予防接種を受けてもおたふくかぜウィルスに感染した際に発症してしまう方はいますが、予防接種を受けなかった人より症状が軽く、合併症が発症しにくい傾向にあります.いままでおたふくかぜにかかったことがなくて、合併症を気になさるようであれば、接種をお勧めします.ただ、任意接種ですので多少のお金がかかりますから、その点をふまえてご家族で相談してみてはどうでしょうか?

◎おたふくかぜワクチン
・いちどの接種で90%以上の免疫獲得が可能です.
・接種してから効果がでるまで1カ月かかりますので、はやめに接種が必要です.
・任意接種(保険適応外)で4,500円です.
生ワクチンですので、次のワクチン接種までに4週間あける必要があります.
・取り寄せになりますので、事前予約が必要です(25-0025).