成人の長く続く咳の原因に百日咳が最近注目されています.
百日咳は主に乳幼児で流行する感染症でしたが、1981年にジフテリア・百日咳・破傷風三種混合(DPT)ワクチンが定期予防接種に導入され患者数は減ってきていました.しかしワクチン接種後の自然罹患による追加の免疫を得られない世代が増えてきたことによって、この数年成人の百日咳報告数が急増しています.
成人例やワクチンをすでに接種したこどもの百日咳では、痙攣のような乾いた咳とや息を吸うときの喘鳴などといった典型的な症状が出現しないことや、軽症例が多いため、発症しても気付きにくいことなどが問題で、発見がされにくいとされています.
百日咳を疑っても診断は採血による抗体検査が主で、確定診断をつけにくいという問題点もありますが、抗生剤や鎮咳剤の内服で症状をおさえていくことは可能です.
慢性的な咳が続く場合は受診をお勧めします.
できればマスク着用で来院されることが望ましいです.
参考HP:成人慢性咳と百日咳