2010年6月14日月曜日

ムカデ咬傷

ムカデに刺された患者さんが受診しました.
梅畑で仕事中に咬まれた翌日から痒みと腫れが出現しました.
というわけでムカデ咬傷のまとめです.

ムカデ毒:
ムカデ毒は、ヒスタミンやセロトニン等の酵素類が主成分であり、蜂毒とムカデ毒の両者には共通する成分が多いとされています. 受傷直後に激痛、そのあと(数日後)遅延性の局所熱感、広範囲な浮腫性紅斑がおこり、ときにリンパ管炎様の症状を生じます.
臨床的に問題となるのは咬傷直後に全身性蕁麻疹やアナフィラキシーショックをきたす即時型アレルギー反応であり、ハチ毒との交叉アレルギーがあった例も報告されています.このようなムカデ毒による即時型アレルギーは基本的にはきわめて稀ですが、ときに起こり得ます.

対処法:
・痛くて腫れている場合はまず冷やして下さい.
治療は、ステロイド外用剤を塗布+冷湿布を行なう。ムカデ咬傷で
 リンパ管炎様の症状がある場合は抗生剤の投与を行ないます.
抗ヒスタミン作用のあるステロイド外用剤
      (強力レスタミンコーチゾンなど)を用います.
・重症例や全身の蕁麻疹などではステロイド剤の全身投与も必要です.
・キンカンなどのアンモニア製剤も有効とされていますが、効果は確立
 していません.

ムカデの種類:
・一般的にはトビズムカデ(黒ムカデ).










温かくなる6月ごろから畑にあらわれます.

参考: