2010年6月16日水曜日

ふくらはぎのむくみ(深部静脈血栓症?)


ふくらはぎが痛くてむくみんだりしていませんか?

静脈性浮腫は、静脈潅流(心臓への血のもどり)の障害によっておこるため、ほとんどが重力の低い下肢に出現します.下肢から心臓への潅流は、静脈弁による逆流防止(左図)と、下腿の筋肉ポンプ作用(=静脈のまわりの筋肉がしまることによって血管がしぼられること)によって維持されています.この両方の作用が低下している方(比較的高齢者に多いのですが)は、静脈性浮腫の頻度が高くなります.

このような静脈性浮腫の原因として、深部静脈血栓症があります.この病気では、比較的急に出現する痛みを伴い、腓腹筋(ひふくきん)の把握痛が出現するのが特徴です.ほとんどが片側下腿(とくに左)に発症し、しばしば鬱血による発赤や表在静脈(皮膚のすぐ下の静脈)怒脹がみられます.

診断には、ドップラーエコーが必要です.持続的な下肢の静脈圧の上昇によって、静脈瘤(こぶ)を形成し、色素沈着、湿疹、潰瘍などの変化が現れることがあります.

長期のねたきり、脱水、悪性腫瘍(がんなど)、外傷などがあり、高齢者に多い疾患とされています.
痛みをともなうふくらはぎのむくみがある場合には、相談してください.